2024/12/18 初稿時点: 本記事は確定、確認した事項ではなく、クエスト「ヘックス」を1度プレイした限りでの考察メモです。また、いわゆる「トゥルーエンド」確認前(プレイ前)段階です。
2025/05/31 追記第一版:リプレイ可能になったので、トゥルーエンド完了&再プレイ後の考察を追記しました。
以下、ネタバレ注意
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目次
Albrechtの真の狙いは?
もしかすると、Albrechtの真の狙いは、「原子炉を爆発させること」ではなく「漂流者にループする時間軸を形成させること」だったのではないか。
・クエスト中、Albrechtは「壁の中の男」を排除するために巨大なエネルギー(=原子炉の爆発)が必要であり、これをヘックスに阻止させるなと言っている。しかし、「壁の中の男」が原子力爆発という熱力学的エネルギーで排除できるというのがシックリ来ない。
・クエストクリア後のテキストでは、「死の灰が降り(=原子炉が爆発し)、壁の中の男の狙い通りになった」といった趣旨の内容が表示される。原子炉爆発が「壁の中の男」を排除するものだとすれば、このテキストは矛盾する。しかし、Albrechtが嘘をついており(または真の目的を隠すために)、本当の目的は別にあるのだとしたら、矛盾は生じないことになる。
・「壁の中の囁き」クエスト内での、LOIDと魚の対話。「Khraの鎖」に関する言及を考察するに、ループする時間軸に『壁の中の男』を閉じ込めることが、カリモス・シークエンスの正体だと考えることは(成立しうる仮説の一つとして)可能である。Khraの連鎖=ループする時間軸という解釈。また、過去にデュビィリを訪れたAlbrechtが、そこから「壁の中の男」への対抗策のインスピレーションを得たことを示唆するフラグメントもある。デュビィリは漂流者が形成したループ世界である。
壁の中の男=Albrechtの恐怖
Albrechtのセリフとして、「私自身の恐怖」といった言葉が出てくる。文脈から推察するに、これは「壁の中の男」のこと。デュビィリのシセルの証言と一致。
・「壁の中の男」自体が、根本的にAlbrechtと深い繋がりがある?意外とパーソナルな存在なのかも。
もしかして、Albrechtは2000年1月1日生まれ?
Albrechtは古代オロキン時代の人かと勝手に思い込んでいたが、もしかすると、もともと彼は2000年代初頭の時代人なのかもしれない。何らかの理由で(彼にとっての)未来世界であるオロキン時代にタイムスリップしてしまったとか。確たる根拠はないが、そう仮定すると、2000年代当初のファッションを好み、ポケベルやPCなど、当時の文化やテクノロジーを愛用していることも頷ける。
さらに仮定と想像を進めると、Albrechtは2000年1月1日生まれなのかもしれない。そしてそれ以前は、Albrechtという存在自体が本来の歴史上のどこにも無いため、彼と紐付いている(彼の恐怖心が生み出した)壁の中の男も、辿り着く/存在することが容易ではない。それでも作中1999の世界に壁の中の男が出現できたのは、Albrecht自身もまた1999年にタイムスリップして存在しているから…といったことも考えられる。(それでも壁の中の男はスムーズに1999年に来れたわけではなく、タイムループの繰り返しの中で徐々に(例の女少佐?みたいな人を通して)侵入する形になっていた)。
以降追記:Albrechtの真の狙いは、「器」を完全に操れるオペレーターを生み出すことだったのでは?
「ヘックス」トゥルーエンドのラストシーンで、「器(灰色の巨人)」がLoidに向かってポーズを取るカットがある。この「器」を動かしていたのは、漂流者だと考えられる。
漂流者/オペレーターは、クエスト「壁の中の囁き」時点では、「器」をスムーズに動かすことはできなかった。「壁の中の囁き」ラストシーンで「器」を動かす場面があるが、腕を伸ばして相手の頬に添える動作だけでも、コンテキストキー連打演出(=力を込める演出)が入る。この時点では、単純動作も困難なほど操作が難しい状態だったことがうかがえる。
一方で「ヘックス」トゥルーエンドのラストシーンでは、漂流者は「器」を自由自在に扱っているようである。この違いは何なのか。
「器」を動かすためには、ヘックスメンバーとの精神的な強いつながりを持ったテンノが必要だった?
「ヘックス」トゥルーエンドの原子炉を止めた後のシーン、Albrechtのモノローグを要確認。「心の大きさ(力?)が足りなかった」といったセリフがあったはずである。ここから考えるに、「器」を自在に動かすためには、単に転移能力を持っているだけでなく、「ヘックス」メンバーと精神的な強い絆を持っていることも必要なのではないか、との仮説を立ててみる。
「精神的な強いつながり」「絆」が何らかの重要なファクターになるであろうことは、「壁の中の囁き」の考察からも読み解ける(AlbrechtとLoidの絆)。また、ミラー防衛クエストでも、二人の人物の絆がVOIDを媒介して何らかの物理/空間的な作用をもたらすことが示されており、「デュビィリ・パラドックス」等でも、VOIDの概念具現化作用について描かれている。
「器」はもともと、1999年の「ヘックス」メンバー(プロトフレーム)から採取した「グレー菌株」細胞を培養して作成されたものであり、生物学的に「ヘックス」メンバーと強い関連がある。
こうした断片的情報からの連想にすぎないが(直接的な論拠はないが)、「器」を自在に動かすためには「ヘックス」メンバーとの絆を持ったテンノが必要だという仮説は成立するように思う。
「カリモス・シークエンス」の正体は、「器」を完全に動かせるオペレーターを生み出すこと?
「ヘックス」トゥルーエンドのラストで、「シークエンスは完了した」というメッセージが表示される。このことから、上記仮説が正しいとすれば、「カリモス・シークエンス」とは、「壁の中の男」を封じ込めるプロトコル(手順)ではなく、そのために必要な「器」を自在に制御できるオペレーター=ヘックスメンバーとの精神的な絆を持ったテンノを生み出すプロトコルだったのではないか。
一年間ループの時間軸を漂流者に形成させることが目的?
「ヘックス」クエストには、少なくとも2種類の時間ループが観測できる。一つは1999.12.31の一日に留まる短期ループであり、少なくとも「ヘックス」クエスト時点において発生しているものである。一方、「ヘックス」バッドエンドのラストシーンで漂流者が形成したループはこれと異なり、1999.1.1から同12.31までの1年間のループである。漂流者のループ形成により1日から1年へとループ時間が拡張されたことは、バッドエンド後にLoidから届くメールにて確認できる。
バットエンド時=「ヘックス」本編のAlbrechtの目的は、漂流者にこの「1年間のループ」を形成させることだったと仮定する。
漂流者のループ形成能力は本人の自由意思で自在に発動できるものではなく、強烈な負の感情や、自身の生命の危機といった要素がトリガーになって発動するものと考察する。よって、漂流者に「意図的に」タイムループを形成させるためには、彼/彼女に強烈な負の感情と生命の危機を与える必要があった。それを与えることが「ヘックス」バッドエンド時のAlbrechtの行動目的であると仮定する。
ヘックスメンバーと漂流者の「絆」を深める時間が必要だった?
「ヘックス」クエスト本編の時点、つまり1999.12.31の1日ループのみの時間軸においては、
・少なくともヘックスメンバーは、ループを越えた記憶の引継ぎができていない。
・ヘックスメンバーの漂流者に対する感情はネガティブであり、相互理解が進む猶予が実質ほぼ無いまま、漂流者は「壁の中の男」によってZarimanに監禁される。以降、原子炉爆発まで、漂流者とヘックスメンバーとのコミュニケーションが断絶する。
といったことから、この1日間でヘックスメンバーと漂流者の精神的なつながりを形成することは、事実上不可能と言っても良いほど困難であることが伺える。
つまり、「器」を自在に動かすためには、ヘックスメンバーとの絆を持ったテンノが必要だが、その絆を形成する時間が1999.12.31の一日では到底足りない。そこで、絆を深めるのに十分な時間を確保するため、デュビィリと同様に1年間のタイムループを漂流者に形成させるべく、Albrechtが一芝居打ったのが「ヘックス」バッドエンドではないかと考える。(バッドエンド時のAlbrechtのセリフに、「もっと彼らのことを良く知ることだ」といった趣旨の発言があったと記憶。要確認。)
シークエンスの完了:「器」を自在に制御できる「絆」の獲得
「ヘックス」バッドエンドにて漂流者がタイムループを形成(1日ループを1年間ループに拡張)。この1年ループを通してヘックスメンバーとの絆が獲得される。(おそらくVOIDの概念具現化作用によって)ヘックスメンバーの命運を書き換えるほどの強い絆となり、これをもって、漂流者は「器」を自在に制御できるようになった。
これにより、「壁の中の男」と勢力であるササヤキへの対抗戦力が整い=「カリモス・シークエンス」が完了し、決戦体制が整った。
…という風に考えると、大筋としては辻褄が合うように思う。