今回はYARELIの3番増強を使ったビルドについてです。Update31.1.0で新しい増強MODがいくつか追加されましたが、そのうちの一つになります。この増強MOD、なかなか可能性を感じる性能だったので、2つほどビルドを検討してみました。
YARELI自体については、実装当時に記事をアップしています。
ただ、これを書いた当時はまだ本当に実装初期で、ちゃんとしたネタビルド(?)も組んでいなかったので、今回改めて組んでみた形です。
YARELIの3番増強の効果
まず、YARELIの3番増強、どんな効果なのか?という話ですよね。
基本的には、「3番発動中に3番アビリティキーを押すことで、前方にブレードを投射する」という効果になります。
これだけなら話はシンプルですが、実はこのブレード投射、付随して特殊な性能をいくつか持っています。
- 3番、および3番増強によって与えたダメージの10%を累積させる
- 累積したダメージによって、投射ブレードの威力が上がる
- アビリティ効果時間の終了により、ダメージ累積もリセットされる
- 2番搭乗中は発動速度が上がり、消費エネルギーが0になる
- 投射ブレードは敵を貫通する(地形は貫通しない)
といった効果です。ざっくり並べただけで5つもありますね。
また、通常3番と同様に、3番増強による投射ブレードも、命中時に確定で切断状態異常を与えます。
ここからわかること、検証してわかったことを整理していきましょう。
3番+3番増強を「当てれば当てるほど強くなる」
自身の周囲を回転する通常3番のブレード、そして3番増強による投射ブレード。どちらを当てても、その与ダメージの10%が累積されます。
これを簡単に言ってしまえば、3番や3番増強を敵に当てれば当てるほど、威力が増していくことになります。ただし、この威力アップは3番増強の投射ブレードにのみ掛かります。通常3番の回転ブレードには乗りません。
大量の切断DOTを出力できる
通常3番も増強3番も切断属性で、命中時に確定で切断状態異常を与えます。増強の投射ブレードは敵を貫通すること、比較的速いペースで連続使用できること、さらに2番搭乗中は消費がゼロになること、そして前述の威力上昇も噛み合って、大量の切断DOTを出力できるアビリティになります。
そして重要なのは、「切断状態異常によるDOTは、装甲等の防御手段に軽減されない」という仕様です。これはYARELIに限らず、全ての切断DOTに共通する仕様です。だからWarframeって切断が強いんですよね。
この結果、何が起きるかというと…。
たとえば、Lv50コラプトヘビーガンナーに、威力100%、累積なしの状態で増強3番を当てると、命中時のダメージは、ざっと50弱ぐらいです。しかし、その攻撃によって発生する切断DOTは、毎秒500程度のダメージを出力します。命中時のダメージは敵の装甲に軽減されているので少なくなっていますが、切断DOTは装甲に軽減されないので、命中時のダメージよりも大きな値になるわけですね。
この“ただでさえ強力な”切断DOTで、かつ“当てれば当てるほど威力が上がる”ワケですから、理論上、とんでもなく強力な攻撃手段になるわけです。
類似するアビリティとの比較
さて、上記の他の特徴については、類似するアビリティとの比較で考えていくとわかりやすくなります。
◆GARAの2番との比較
GARAの2番も、際限なくダメージを上昇させられる切断アビリティです。こちらは自身の周囲、または指定した対象の周囲に発生します。ただしダメージを上昇させるためには、2番を展開中に4番を発動し、かつ4番に外側から1番を当てて破壊する必要があります。
こうしたGARAの2番と比較したとき、YARELIの3番増強には、次のような違いがあります。
- 投射できるが、自身の周囲に展開されるブレードには威力上昇が乗らない
- 効果時間中の掛け直しができず、効果時間終了で威力の累積がリセットされるため、事実上、際限なくダメージを上昇させることはできない
- ダメージ上昇は敵に3番の攻撃を当てるだけで良く、GARAの2番よりも手軽に威力を稼げるが、周囲に敵がいない場合は威力を上げられない
実際の使い勝手は、かなり違う印象です。端的に言えば、「お手軽高火力のYARELI、手間はかかるが上限なしのGARA」という印象です。
◆ZEPHYRの1番増強との比較
ZEPHYRの1番増強も、当てれば当てるほど強くなるタイプの攻撃アビリティ。ただしこちらはダメージ上昇維持の条件が特殊で、2秒以上、地面に接地しているとリセットされます。ZEPHYRの特性を活かして空中戦を心がければ、あとはエネルギーのある限りダメージを上昇させていけますが、なにしろ挙動にクセがあり、扱いには慣れが必要です。
このアビリティとYARELIの3番増強を比較してみると、次のような違いがあります。
- 投射攻撃で使いやすく、特殊な立ち回りを必要としない
- 効果時間中の掛け直しができず、効果時間終了で威力の累積がリセットされるため、事実上、際限なくダメージを上昇させることはできない
というわけで、やはり「使いやすさのYARELI、威力上限のZEPHYR」という感じになるのかなと思います。
◆EQUINOX陽4番との比較
「大量の切断ダメージを出力できる」「手順を踏めば高い威力を実現できる」という点で、EQUINOXの陽4番も比較対象になるかと思います。こちらのアビリティは、発動中に効果範囲内の敵に与えたダメージを累積し、アビリティ再使用で累積ダメージを解放、切断ダメージとして周囲の広範囲に出力します。ただし切断DOTは出力されず、装甲に軽減される通常の切断ダメージが一回発動するだけとなります。
このアビリティとYARELIの3番増強を比較してみると、次のような違いがあります。
- ダメージを累積させるための攻撃手段が、3番+3番増強に限られる
- 高い威力を保ったまま、素早い連続使用が可能
- 投射攻撃であり、敵を貫通はするが範囲は狭い(点攻撃よりは広い程度)
- 敵の装甲を無視する、切断DOTを確定で出力できる
この2つの比較に関しては、端的に「手数のYARELI、範囲のEQUINOX」と言えるかもしれません。ただし、YARELIの3番+増強が装甲無視の切断DOTを出力できるのに対し、EQUINOXの陽4番はDOTを出力せず、装甲持ちと相性が悪いという点は、無視できない大きな違いです。
◆つまりYARELIの3番増強は…
総じて、YARELIの3番増強は、手軽に使えて連発が効き、比較的手早く高火力の切断DOTを量産できるが、上下左右方向の範囲は狭く、威力上昇の上限にも事実上の限界があると整理できるんじゃないかと思います。
ヘルミンス移植可能、という可能性
それともう一つ、YARELIの3番はヘルミンス移植可能という点も大きな違いですね。他のフレームに移植でき、増強も使えるので、「どのフレームでも高火力の切断DOTを出力できる時代が来た」と言っても過言ではありません。
YARELI3番増強の使い方とビルド方針
考え方としては、「時長構成にするか否か」というのが、まず論点になるかなと思います。
このアビリティは当てれば当てるほど強くなる一方、有効時間切れで累積ダメージがリセットされてしまいます。したがって、アビリティ時間が長ければ長いほど累積可能なダメージも多くなり、より高威力を目指せるようになります。
反面、「時間をかけて高威力を達成しても、どうせ時間切れでリセットされてしまう」という点を考えると、時間はあまり伸ばさず、むしろ威力を上げて、短時間でそれなりの威力を達成できるように組む方針もあります。
よって方針としては、
- 最大威力に主眼を置いた時長構成
- 素早く火力を稼げる威力構成
- 時間と威力の両立を考えたバランス構成
この3つの方向性があるのかなと思います。
ヘルミンス移植を使うかどうか
もう一つ、「ヘルミンス移植を使うかどうか」というのも論点になります。これは3番増強に限らず、YARELIのビルド自体で大きなポイントになるテーマですね。
現状、YARELIは2番搭乗中は移植アビリティを使うことができません。搭乗前に発動したバフ等も、2番に乗ると大半が無効化されてしまいます。
よって、
- 移植アビリティを使う=2番に乗らない
- 移植アビリティを使わない=2番に乗る
という風に整理しても良いと思います。
2番に乗らない場合、近接やプライマリも使えるため立ち回りの幅は広くなりますが、一方で防御面に課題が生じやすくなります。また、3番増強のシナジー(2番搭乗中の消費ゼロ+発射速度向上)が得られないため、もったいなさもあります。
一方、2番に乗る場合は逆で、防御面にはほぼ課題は生じなくなります。ビルド次第では、「鋼の道のり」ボンバードの直撃弾を2発ぐらいは平気で受けきる鋼鉄乙女になります。反面、立ち回りには制限が生じ、プライマリ、近接、移植アビリティが使用できません。
よって、移植アビリティを使うかどうか、2番に乗って戦うことを前提とするか否かも、ビルドを考える上で重要になります。
こうした観点を踏まえつつ、今回は2つのビルドを紹介したいと思います。
ビルド1:Expedite Sufferingビルド
ヘルミンスアビリティの「Expedite Suffering」を移植し、3番増強で出力した大量の切断DOTを一気に解放して範囲殲滅を行うビルドです。
ビルドは範囲、効率、時間、威力のバランス型。3番増強だけなら範囲は不要ですが、ExSがあるので範囲も多少は伸ばしている形です。防御面も心もとないので、AdatptationとUmbral Vitalityを採用しています。
セカンダリで感染を、3番増強で切断をばら撒いてExSを撃つと、「鋼の道のり」クラスの敵も一撃で吹き飛びます。うまく決まるとかなり爽快。
ただしこのビルドには課題もあり、状態異常対策の乏しさや、範囲殲滅に若干手間がかかること等もあって、高レベル帯のエンドレスミッションに長時間滞在できるほどの戦力ではありません。かといって敵の数が少ないと3番増強の威力を稼げず、ExSの範囲攻撃も範囲過剰になりやすく、非経済的な戦闘になりがちです。
こういった短所もあって、当初は没ネタかなと思っていたんですが、それでも3番増強+ExSのコンボが強烈だったため、短所を踏まえての紹介となります。
ビルド2:2番+3番増強併用型ビルド
2番に乗りながら運用する前提のビルドです。2番搭乗中の3番増強の速度向上と消費ゼロを活用し、ひたすら3番増強を撃ち続けて敵を殲滅していく運用になります。
ビルドは威力・時間軸。あまり時間を伸ばしすぎず、威力を高めて短時間で高火力を達成できる形にしました。また、3番増強の発射速度を稼ぐため、Natural TalentとSpeed Driftも採用。これ2枚差しはやりすぎかもしれません。どちらか片方でも大丈夫です。
立ち回りとしては地味なスタイルですが、戦力は相当程度に優秀。「鋼の道のり」セドナ耐久でソロで20~25分程度をしのげる性能になります。
3番増強の強烈な切断DOTに加え、2番による優れた直線機動と、同じく2番による防御性能-「鋼」ボンバードの直撃弾を平気で受け切る防御性能-もあり、攻守走ともに高水準に整ったビルドになります。
ただし、3番増強の範囲がさほど広くないこともあり、範囲殲滅には向きません。この点は地形による影響が大きくなります。奥行きがあって狭い地形で敵を迎え撃つ形であれば、3番増強の無限貫通と、2番による直線機動とを活かして有利に戦えます。一方、奥行きに乏しい場所や複雑な地形では、効果的な火力を発揮できず、殲滅速度が追い付かずに包囲されてしまう恐れもあります。
よって、地形を吟味して交戦エリアを選定することが重要になります。
まとめ:
今回、「YARELI3番増強」という単一のアビリティに注目してのビルド紹介記事となりました。癖の強さとポテンシャルの高さを兼ね備えた、面白くもあり難しくもあるアビリティです。
どういった場所、どういった状況で強みを発揮できるのか?というのが、けっこう難しい判断ですね。
比較的狭い範囲に大量の切断DOTを出力できることから、分裂のデモリッシャー対策にも使えるかな?と当初は思っていたのですが、実際にやってみると、火力の出ているタイミングでないと倒しきれなかったり、アビリティを解除されてしまったりで、あまり気持ちの良い立ち回りにはなりませんでした。
いろいろと検討を重ねた結果、多数の敵が出現し、結果として3番増強の火力を稼ぎやすく、かつ特殊な立ち回りを要求されない「鋼の道のり」耐久ミッションが、案外やりやすい印象でした。
また、先ほども少し触れましたが、YARELI3番+増強を他のフレームに移植した際のポテンシャル、これも検討していきたいですね。今回の研究ではそこまで掘り下げることはできなかったので、今後の研究課題の一つとしたいと思います。