[Warframe]ストーリー解説98:徹底考察!「壁の中の男」とAlbrecht Entrati

さて今回は、Warframeストーリー解説、「壁の中の男」とAlbrecht Entratiに注目して、徹底考察を行っていきます。

2024/08/31 この記事は、「ロートパゴス」実装時点の内容です。

今回の研究レポートは、事前に動画をYouTubeに投稿しています。

こちらの動画の投稿時には、クエスト「ロートパゴス」が実装されていなかったため、本記事では「ロートパゴス」の内容も含めて考察していきましょう。

また、動画のコメント欄にて、視聴者の皆様からお寄せ頂いた考察も含めて、記事にまとめていきます。コメント頂いた皆様、改めまして、ありがとうございます。

それでは、やっていきましょう。

目次

「壁の中の男」とAlbrechtに関する、Warframe作中の各種情報源

さて、今回の調査対象となる「Albrecht Entrati」と「壁の中の男」。この二者に関するWarframe作中での情報源をまとめてみましょう。

  • クエスト「Harrowの鎖」
  • クエスト「新たな大戦」の一部
  • クエスト「壁の中の囁き」
  • 「ネクロロイド」シンジケート後部の壁、Albrechtの実験記録
  • サンクタム・アナトミカのLoidの隣にあるパソコン
  • フラグメント「デュビィリの失われた島々」
  • フラグメント「Albrechtの記録」
  • デュビィリ住人の証言等
  • DAGAHTのレべリアン

他にも様々なところに断片的な情報が散りばめられています。DAGATHのレベリアンにもAlbrechtと従者Loidに関する言及があり、これはYouTubeのコメント欄で教えて頂いて気が付きました。

他にもまだまだ見落としている重要な要素があるかと思いますが、一旦、上記の情報源から得られる情報を、まずは整理していきましょう。

本記事内における凡例
◎ … 作中で明示されている、確定した事実関係

○ … 明示されてはいないが、ほぼ確定的であると考えられるもの

△ … 不確定ではあるが妥当性が高いと思われる推論

? … あり得なくはない推論や考察の一つ

※ … YouTubeのコメント欄で頂いた情報・考察

1:「壁の中の男」とは?どういう存在なのか

まずは、「壁の中の男」に関する情報をまとめていきます。

いったん、要点を列挙してみましょう。

  • 壁の中の男 = 無関心
  • VOIDの精神体であると考えられる
  • 『Rap Tap Tap』という音が、「壁の中の男」を象徴している
  • 指の一本無い手も、「壁の中の男」を暗喩する表現
  • ”固有性”を持つ対象に執着し、同一の姿を取って現れる
  • 対象の精神や人間性を擦り減らして消滅させ、身体を”乗っ取る”
  • 感情や人間性といった要素が、「壁の中の男」への対抗手段になり得る

以下、各項目について解説します。

〇 壁の中の男 = 無関心(The Indifferent)

「Harrowの鎖」クエスト、「壁の中の囁き」クエスト。「壁の中の男」を「The Indifferent」と英語ボイスで呼ぶ場面がどちらにも存在する。日本語訳は「冷淡なもの」「無関心」などバラツキがあるが、The Indifferentという単語は一致。

○ 「壁の中の男」=VOIDの精神体

フラグメント「Albrechtの記録」にて、Albrechtは「壁の中の男」を”VOIDの精神体”だと分析している。

擬音語『Rap Tap Tap』、または“同じ音が一定のリズムで3回繰り返される”現象は、「壁の中の男」を象徴する

「Harrowの鎖」クエスト、「壁の中の囁き」クエスト、デュビィリのNPC「Sythel」の証言など。

〇 指の一本欠けた手=「壁の中の男」

「壁の中の男」は、AlbrechtのVOID進入実験の際に指を一本切断されている。そのため、指の一本欠けた手が、「壁の中の男」を示唆する表現となっている。

フラグメント「デュビィリの失われた島」では「親指と三本の指だけの巨大な手」の出現が記録されており、「新たな大戦」クエスト終盤の巨大人型壁画出現シーンでは、人型壁画の右上腕の人差し指の欠けている。また、「壁の中の囁き」クエストでも、「壁の中の男」が出現する場面の左側の壁面に、人差し指の切断された手が描かれている。

〇 「壁の中の男」は、何らかの固有性を持つ者に執着する

「Albrechtの記録」フラグメントより。「壁の中の男」に狙われるのは、固有性を持った存在である。ここでいう固有性とは、他にあまり例のない、珍しい特徴を持ったもののこと。

◎ 「壁の中の男」は、遭遇した(狙った)対象と同一の姿を取って現れる

「内なる紛争」クエスト、「Harrowの鎖」クエスト、オービター船内、「ネクロロイド」シンジケート後部の記録(AlbrechtのVOID進入実験)など多数。Albrecht Entratiと、主人公テンノの姿を取った「壁の中の男」が確認されている。

△ 対象の精神や人間性を擦り減らして消滅させ、身体を”乗っ取る”

「内なる紛争」クエストのラストシーンでは、主人公テンノの身体に乗り移る形で出現。「Harrowの鎖」クエストでも、「壁の中の男」を抑え込んでいた『RELL』が、”彼の警告したもの=壁の中の男になってしまった”という証言がある。「壁の中の囁き」クエストでは、1999年の場面にてAlbrechtが「壁の中の男」になってしまったと思われる描写がある。

オロキンの「不死の儀式」との類似性と、クバとの関連性
対象の精神や人間性を摩耗させて消し去り、身体を乗っ取るプロセスは、オロキン帝国時代の「不死の儀式」を連想させる。クエスト「内なる紛争」や、VORUNAのレベリアン等で描かれている。「壁の中の男」とオロキンの不死の儀式、それに用いられるクバ(古き血統)との関連性も考察される。

〇 感情や人間性といった要素が、「壁の中の男」への対抗手段になり得る

「Harrowの鎖」クエストでは、「壁の中の男」による悪影響からRELLを助けるため、彼の内面に残された僅かな人間性や感情を喚起することがPARADENOより提案され、実行されている。

「Albrechtの記録」フラグメントでは、デュビィリを探訪したAlbrechtが、そこが「壁の中の男」に対する防衛策となり得ることを指摘している。デュビィリは物語が具現化した世界であり、支配者(Dominux Thrax)の感情が世界そのものの姿を変えるほど感情の影響力が強い。

「壁の中の囁き」クエストのラストバトルにおいても、魔導書をJahuガーゴイルにより”喋らせる”ことで引き出したAlbrechtの本心が、フラグメント・スゼイレンを弱体化させているとの仮説が考えられる。

※無関心の反対=愛情や本音による未知への理解が、「無関心」への対抗手段となる?

※「壁の中の囁き」クエスト終盤、灰色の巨人(「器」)同士の対峙で、攻撃ではなく”頬を撫でる”ことで相手を鎮めた場面も、触れることで一時的に「器」そのものに内在する感情が戻ったのでは?

2:「壁の中の男」のこれまでの行動(~ロートパゴス)

次に、これまでWarframe作中で観測されている、「壁の中の男」の主な行動について、情報をまとめます。情報は、クエスト「ロートパゴス」までのものです。

◎ AlbrechtのVOID進入実験の際に出現し、「指」を切り落とされる。以降、Albrechtに干渉を続ける

オロキン帝国時代にAlbrechtが行ったVOID空間進入実験の際、Albrechtと同じ姿を取って出現した。「壁の中の男」に遭遇したAlbrechtは、VOID空間から現実空間へ退避し、空間をつなぐゲートを閉じた。その際、ゲートに挟まれる形で「壁の中の男」の指が切断された。

〇 何らかの理由で、「壁の中の男」は、Albrechtの従者Loidに対しても注目するようになる

「Albrechtの記録」フラグメントより。詳細は不明だが、AlbrechtのVoid進入実験以降、Albrecht本人だけでなく、従者のLoidにも何らか干渉を与えていた様子が伺える。

◎ Zarimanの事故発生時、のちにテンノとなる子供たちと「握手」をし、「契約」をした

「新たな大戦」クエスト内で描かれた、事故当時のZariman船内での主人公テンノと「壁の中の男」の邂逅。この際、両者は握手をしているが、これが何らかの「契約」になっていたことが「壁の中の囁き」クエストにて言及されている。契約の内容等に関しては言及なし。

※voidは人の精神を具現化する力がある。壁の中の男はその力を利用して対象の欲しているものを与える契約をする?

オペレーターはzariman事故をどうにかできるような力(void)を得る(対価は不明)、AlbrechtはVoidの研究のために切断された指を得る対価として体を乗っ取られる、など

また、「壁の中の囁き」クエストにて、主人公の姿をした「壁の中の男」は、主人公のことを「契約から逃げている」として不満を表している。

◎ デュビィリに出現

フラグメント「デュビィリの失われた島」、NPC「Sythel」の証言など。親指と三本の指しかない巨大な手が出現した、うつろな目をした不気味な子供たちが現れた、などの記録が残されている。また、Sythelはより直接的に「Rap Tap Tap」の言葉を口にするほか、おそらくは「壁の中の男」に対して怯えている様子を見せている。

◎ 1999年に退避したAlbrechtを追い、過去世界にも出現

クエスト「壁の中の囁き」より。とある理由によりAlbrechtは1999年へ退避するが、それを追って「壁の中の男」も、1999年の世界に出現している。

◎ オロキン帝国滅亡後、Rellの解放→主人公テンノに付きまとうように

「Harrowの鎖」クエストより。オロキン帝国滅亡後(Warframe本編の時代)。それまで「壁の中の男」を抑え込んでいたテンノの一人『Rell』の精神を崩壊させ、存在を乗っ取る。しかし、主人公テンノにより『Rell』が解放される。以降、『壁の中の男』は主人公テンノに付きまとうようになる。

◎ 「新たな大戦」でBallasが開いた巨大なVOIDポータルにより活動を活性化させ、Albrecht研究所への侵攻を開始した

サンクタム・アナトミカのLOIDの隣にあるPCより。「新たな大戦」終盤でBallasが巨大なVOIDポータルを開くが、これが「壁の中の男」の注目を引き付け、活動を活性化させた。それにより「ササヤキ」を率いてのAlbrecht研究所侵攻を開始し、これに呼応する形で対抗作戦「カリモス・シークエンス」が発動した。

◎ Albrecht研究所への侵攻開始後、Lotusに対しても何らかの干渉を行いはじめる

クエスト「ロートパゴス」より。「壁の中の男」がAlbrecht研究所への侵攻を開始した後、Lotusに対しても何らかの干渉を行い始めたようである。Lotusが一連の事態に関心を持たないように(関わらないように?)、精神的な暗示を試みている様子が見受けられる。

3:Albrecht Entratiについて

続いて、Albrecht Entratiについて情報を整理しましょう。

  • オロキン帝国時代の科学者、VOID研究者
  • Entrati家の”祖父”にあたる人物
  • 「壁の中の男」の脅威に対抗している
  • 何らかの理由で1999年のに行っている

Albrecht自身の設定や人物像については、あまり重要な情報は多くありませんね。「壁の中の男」と違って、一応はまあ人間っちゃ人間なので。ひとまず詳細をまとめていきましょう。

◎ オロキン帝国時代の科学者、VOID研究者であり、Entrati家の”祖父”にあたる人物

「ネクロロイド」シンジケート後部の記録(AlbrechtのVOID進入実験)、「Albrechtの記録」フラグメントなど、作中の随所に情報が散りばめられている。

もともとは世間に注目されていなかったが、VOID進入実験と、その成果物(「壁の中の男」の指)をもとにしたレリクアリ・ドライブの開発、VOID航空技術の実用化により地位を確立したものと思われる。

※BallasとAlbrecht、そしてGranumの3名は、オロキン帝国時代に何らかの接点がある様子。「壁の中の囁き」クエスト内のLoidのセリフからBallasとAlbrechtに、PROTEA PRIME実装のトレイラームービーからBallasとGranumに、それぞれ接点があることが伺える。

○ 「壁の中の男」の脅威に対抗している

「ネクロロイド」シンジケート後部の記録、「Albrechtの記録」フラグメントなど。VOID進入実験の際に「壁の中の男」と邂逅したことを契機に、その脅威への対抗手段を模索している様子。

◎ 何らかの理由で1999年に行っている(~「ロートパゴス」時点)

Warframe作中、メインクエスト「ロートパゴス」までの時点では、Albrechtは何らかの理由で1999年に行っている(理由に関する考察は後述)。

「Albrechtの記録」フラグメントによると、もともとAlbrechtは何度か1999年に通っていたようである。ただし、「壁の中の囁き」クエストで描かれた通り、ある時、何らかの目的で1999年に旅立った後、時間遡行装置(通称”棺”)をLoidに破壊させている。

よってWarframe作中現在は、Albrechtは1999年に滞在していると思われる。

4:Albrechtのこれまでの行動(~ロートパゴス)

続いて、Albrechtのこれまでの行動を整理してみましょう。情報は、クエスト「ロートパゴス」までのものです。

◎ オロキン帝国時代、VOID空間に自ら進入する実験を行い、「壁の中の男」と邂逅

「ネクロロイド」シンジケート後部に記録されている。オロキン帝国時代、VOID研究の有用性を証明するため、自らVOID空間に進入・観測する実験を行っている。その際、VOID空間内で「壁の中の男」に遭遇。逃走時に「壁の中の男」の指を切り落としている。

なお、この際に切断された指が由来となり、VOID空間航行技術「レリクアリドライブ」が開発されたことが、「ネクロロイド」シンジケート部屋後部の端末(または壁画)や、レールジャック後部のレリクアリ・ドライブ、Zarimanの「アルマゲドン」ミッション等にて確認できる。

※切断された指は一つしかないが、レリクアリドライブは複数存在する。Zarimanに搭載されたものが”本物”であり、他のレールジャック等に搭載されたものはレプリカではないか。Zarimanのほうは”本物”だったため、VOID空間で事故が起きたのではないか。

◎ 「壁の中の男」の脅威に対抗すべく研究に取り組む

VOID進入実験の後、「壁の中の男」の脅威に対抗すべく様々な研究に取り組む。VOID空間に実験動物を送り込むなど、試行錯誤を繰り返す。(この際、VOIDから生還し、知性を獲得した実験動物たちが「カビア」の三匹)。

また研究の過程で、従者のLoidもまた「壁の中の男」に狙われていることに気が付く。

◎ 1999年への時間旅行と、灰色の巨人「器」の開発

「Albrechtの記録」フラグメントによると、この時期、Albrechtは度々1999年への時間旅行を繰り返していたようである。1999年はテクノサイトウイルスのパンデミックが発生しており、そこにAlbrechtはヘルミンスを持ち込んで、人々を”治療”していた。また同時に、合意した人々を対象に、”部分的なWarfram”に人間を作り変えることも行っていたようである。

この”部分的なWarfram”となった人々から採取した細胞「グレー菌株」をダイモスに持ち帰って研究することで、巨大な灰色の巨人「器」を制作。これを「壁の中の男」に対する対抗手段にしようと考えていたが、未完成のままとなっている(「ロートパゴス」時点)。

◎ デュビィリへの探訪

フラグメント「デュビィリの失われた島」「Albrechtの記録」より。Albrechtはデュビィリを探訪し、かつて自身が娘に聞かせた「デュビィリの物語」が原型となってVOIDにより具現化した世界であることに気付く。また、この世界が「壁の中の男」に対する防衛策となり得る可能性を予見する。

Albrechtはデュビィリの住民に「壁の中の男」について知識を授け、また実験施設を築いて研究に取り組んでいたが、忽然とデュビィリから姿を消した。実験施設のあった島も現存していない。

◎ 1999年への”最後の時間旅行”

従者のLoidもまた「壁の中の男」に狙われていると察知した後、Albrechtは1999年への最後の時間旅行を行っている。”最後の”というのは、この時間旅行の際、Loidに時間移動装置(棺)を破壊させているため。Albrechtはおそらく自身で1999年から戻る手段を失っていると思われる。

(なお、1999年に行き、「棺」を破壊させた理由については、クエスト「壁の中の囁き」で語られるが、考察の余地が残る。)

◎ 「私を探してほしい」 テンノとLoidに残したメッセージ

1999年への”最後の時間旅行”の前に、Albrechtはビデオメッセージを残していた。そのメッセージの中で、テンノに対し、「時が来たら、私を探して欲しい」という言葉を残している。

考察:1999年とカリモス・シークエンス

さて、あまりに情報が多すぎるので混乱してきましたが、ここからさらに考察を行っていきます。

  • なぜ「1999年」なのか
  • 「カリモス・シークエンス」とは何なのか
  • 「壁の中の男」の正体とは?「感情」と「無関心」
  • 主人公テンノと「壁の中の男」との”契約”とは?
  • 「ロートパゴス」において、「壁の中の男」はLotusに何をしようとしているのか?

…などなど、色々な謎が残されていますが…。

今回は特に「1999年」と「カリモス・シークエンス」に注目して、考察を掘り下げたいと思います。

なぜ1999年なのか

まず、なぜAlbrechtは1999年に行き、時間遡行装置(棺)を破壊させたのか?という点です。これについては作中、「壁の中の囁き」クエスト内のビデオメッセージでAlbrecht自身が語っているのですが、どうにも分かりにくいんですよね。

  • 「壁の中の男」が容易に追跡できない、歴史上唯一の場所である
  • Loidから目を逸らさせるために行った

というのが主な趣旨なのですが…。

実際には「壁の中の男」は、1999の場面にも出現しているんですよね。

「壁の中の男」は西暦2000年より前には存在できない?

さて、これについて面白い考察をYoutubeのコメント欄のほうで頂いてます。

「壁の中の囁き」クエスト内、1999の場面でAlbrechtが現れ、「お前は遅すぎた」と言った後、不気味なVOID語の笑いを上げるシーンがあります。ここに現れたAlbrechtは、果たして本物なのか、それとも「壁の中の男」なのか。

これ随分と迷ったのですが、「時刻が00時00分になり、西暦2000年になったので、Albrechtが壁の中の男になってしまったのではないか」という考察を頂いて、なるほど!と思ったんですね。

というのもこの場面、「お前は遅すぎた」とAlbrechtが言っている時、ニューイヤーのカウントダウンが聞こえてくるんです。つまり、この段階ではまだ西暦1999年なんですね。そしてカウントダウンがゼロになった=西暦2000年になった途端、AlbrechtがVOID語で笑うわけです。

ということは、

  • 「お前は遅すぎた」と言ってる時=まだ西暦1999年=Albrecht本人
  • VOID語で笑いはじめた時=西暦2000年になった=Albrechtの姿をした「壁の中の男」

という風に、あのニューイヤーの瞬間に変わったのかもしれません。

ただし、ちょっと気になるのが…1999の場面になった際、地下鉄の中でArthurを操作できる場面にも、「壁の中の男」が実はいるんですよね。本来の進行方向と逆に進むと、赤いライトに照らされた場所があるんですが、そこにいます。このタイミングはまだ西暦1999年のはず。「壁の中の男」は西暦2000年より前には存在できないと仮定すると、ここで矛盾が生じてしまいます。ただし、ここで現れる「壁の中の男」は主人公テンノの姿をしているので…何かここにちょっと引っかかるものがあるんですよね。なので、一旦、引き続き研究かなと。

「カリモス・シークエンス」とは何なのか

そして次に、「カリモス・シークエンス」とは何なのか…という謎があります。「壁の中の男」への対抗作戦だとは思うのですが、どんな作戦なのかは具体的にあまり語られていないんですね。

ただし、「壁の中の囁き」クエスト内で、カビアの”魚”とLoidの議論が、少しヒントになりそうです。

『無関心の指が欠けている限り、Khraの鎖に囚われたままだ。この制限が最後の希望だ』。

…と、”魚”は言っています。それに対してLoidは、『Khraの鎖は因果関係の鎖をVOIDで表したものに過ぎない』と否定していますが…。

これ一体、何の話なんでしょうか。

Khraの鎖=いわゆる”世界線”のことでは?

まず「因果関係」とは、原因と結果の連鎖だと言えます。

たとえば、風が吹いて木が揺れて、枝からリンゴが落下する。これを整理すると、「風が吹く」という原因によって「木が揺れる」という結果が生じ、そして「木が揺れる」ことがまた原因となって、「リンゴが落ちる」という結果に至るわけです。

つまり、原因が結果を招き、その結果がまた次の原因となって新たな結果を招く。この一連の出来事の連なりが「時間=Khra」になるわけです。

なのでおそらく、「Khraの鎖」というのは、我々がSF用語で言うところの「世界線」だと理解して良いのかなと。

無関心=「壁の中の男」は、単一の世界線に囚われている?

とすると、”魚”のセリフを読み解くと、壁の中の男(無関心)は、単一の世界線に囚われているのかもしれません。

Warframeの世界では、時間の流れ(世界線)を単一のものとする世界観(=つまり、リアルの我々の時空間認識)を「線形時限牢」と呼び、古い認識だと説明しています。そして作中世界の時空間認識では、「永遠主義理論のVOID移行」により、複数の世界線が並行して”実在している”わけです。

しかし、何らかの理由により(魚いわく「指が欠けている限り」)、「壁の中の男」は単一の世界線に囚われており、複数の世界線に並列的に実在できないのかもしれません。

単一の世界線に囚われている=タイムパラドックスが生じる

さて、「単一の世界線に囚われている」ということは、タイムパラドックスが生じることを意味します。これは普通に物理の話ですね。

『親殺しのパラドックス』という有名な話がありますが…。要するに、自分が生まれる前の過去に行って、両親を殺してしまったら、自分は生まれないことになります。しかしそうなると、過去の両親は殺されないですよね。だから、自分は生まれることになる。しかし、自分が生まれると、その自分はやがて過去に行って両親を殺すことになるので、やはり自分は生まれなくなる。しかしそうなると…。

という感じで、原因と結果=一連の出来事の『始まりと終わり』がループしてしまうんですね。

しかし、複数の世界線が分岐するのであれば、タイムパラドックスは発生しません。過去に戻って両親を殺した時点で、「両親が殺されなかった世界線」と「両親が(過去に戻った自分に)殺された世界線」とに分岐するからです。過去に移動することは、さしずめ「両親が殺されなかった世界線」から、「両親が殺される世界線」に移動することと同じになるわけですね。

そういえば、デュビィリ・パラドックスもループしていましたが、あれも考えてみれば「単一の世界線に囚われている」状態ですよね。時間がループしているということは、タイムパラドックスが生じている。デュビィリの生みの親とも言える漂流者が処刑されることで、親殺しのパラドックスが発生していたのかもしれません。

とすると…もうこれは完全に考察ですが…カリモス・シークエンスは、タイムパラドックスを引き起こして「壁の中の男」をループする時間軸(線形時限牢)に閉じ込めてしまう作戦なのかもしれません。

Albrechtは過去に行っても世界線が分岐するため、タイムパラドックスに囚われず、別の世界線のAlbrechtが並列的に実在するようになるだけですが、「壁の中の男」は単一の世界線に囚われいるので、タイムパラドックスのループに閉じ込めることが可能だと考えられます。

「私を探してほしい」の意味:「壁の中の男」に浸食されていないAlbrechtがどこかの世界線に実在している?

さて、「壁の中の男」が単一の世界線に囚われていると考えると…。どこかの世界線に、「壁の中の男」に浸食されていないAlbrechtが実在することになります。

Albrechtの時間遡行により世界線が複数分岐するわけですが、Albrechtは「永遠主義理論」により、その全ての世界線に等しく実在しています。ちょうど、オペレーターと漂流者がどちらも実在しているようにです。しかし、「壁の中の男」は単一の世界線に囚われているとすると、どこか一つの世界線においてはAlbrechtを乗っ取ることができるでしょうけれど、他の世界線のAlbrechtは乗っ取れない。

したがって、「無事なAlbrecht」が実在する世界線が必ず生じているはずです。その「無事なAlbrechtがいる世界線」を探してほしい、という意味なのかもしれません。

もうこの辺は完全に考察ですね。

おわりに:まだまだ残された謎は多い

さて、まだまだ残された謎はたくさんあります。

  • 「壁の中の男」が主人公テンノと結んだという「契約」とは何なのか。
  • 「ロートパゴス」でLotusにも何か影響が出ている様子があったが、今後どうなってしまうのか。
  • いろいろ考察したけれど、実際のところAlbrechtは何を企んでいるのか。
  • AlbrechtとLoidのイチャイチャはどうなるのか。

…などなど、考えるとキリがありませんので、今回はこの辺にしておきましょう。

One thought on “[Warframe]ストーリー解説98:徹底考察!「壁の中の男」とAlbrecht Entrati

  1. まとめお疲れ様です。読み応えがありました。
    以下は自分の考えです。

    ①「壁の中の者」について

    正体は未だハッキリとは分かりませんが、作中での活躍を見るに、Voidの特殊な力や性質などを自由自在に扱うことが出来る存在だと思ってます。

    いわゆる「上位存在」って奴です。

    「指」はそんな奴の一部なので、Voidを用いたあれこれ(Voidジャンプとか)が出来るのも納得です。

    「壁の中の者」はもしかしたら体の一部を失ったことにより、Void能力の一部も失ったのかもしれません。能力の行使に部分的に制限が出来てしまったとか、そんな感じで。

    で、それが「Khraの鎖」なんじゃないかなって思ってました。

    ②身体の乗っ取りについて

    オロキンのクバを用いた不死の儀式に似ているとありますが、そもそもクバは「意識を管理できるVoid由来の液体」なので、似ていて当然なのです。

    これはデュヴィリ内に置いてあるクイズのタブレットで確認できます。

    ③対象人物の記憶を読み取ることについて

    Voidには過去/現在/未来の全てが等しく存在しています。
    その中にはもちろん、Albrechtに関する情報も含まれているわけです。

    「壁の中の者」はそれら全ての世界線にあるAlbrecht Entratiという人間の、全ての記録を見たのではないかって思ってました。

    ①で書いたように、「壁の中の者」はVoidの特殊な力や性質を自由自在に扱うことが出来ます。世界線の観測から情報を得るのなんて、朝飯前なんじゃないかなあって。

    ④「壁の中の囁き」クエストの操られていた巨人と、頬のなでなでシーンについて

    クエスト内でLoidは、主人であるAlbrechtに対して「どうして自分を置いて行ってしまったのか?」「私は捨てられたのか?」といった、とても強い負の感情を抱いていました。

    そして「壁の中の者」は、それら負の感情を煽るようにLoidを挑発していました。

    Voidには強い感情との相互作用があります。これはCitrineのミラー防衛で語られていましたね。

    「壁の中の者」はVoidのその性質を用いて、Loidの強い負の感情を素材にあの巨人を操っていたのではないでしょうか?
    つまり、あの巨人は「Loidの感情そのもの」なわけです。

    それをオペレーターは攻撃して破壊するのではなく、頬に手を当てて、「慰める」という選択を取りました。

    その光景は、クエスト冒頭で流れたAlbrechtとLoidの別れの場面にそっくりです。

    かけがえのない愛する人が自分に与えてくれた別れの言葉を思い出し、Loidの心は「救われた」のでしょう。
    そうして負の感情は消え去り、巨人も動きを止めた…。

    と、自分は解釈していました。

    ⑤1999年と「壁の中の者」について

    「壁の中の者」は、「1999年にも存在することは出来るが、干渉は出来ない」と捉えてました。

    この捉え方なら、存在していても矛盾はないかなと思います。

    以上です。長々とすみません。

    ローカライズ事情もあるので、なかなか「これだー!」ってなるものがないですよね、このゲーム。

    とにかく1999年になにがあったのか早く知りたいですね。あの「壁の中の者」が「容易に追跡できない」って、一体なにがあったんだ…

    あとBallasは絶対に許さない

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