さて、今回はWarframeのメインストーリーについて、改めて全体像をまとめつつ、考察を加えていこうと思います。
あくまでメインのストーリークエストで語られる内容のみを対象とし、他のクエストやその他の資料(ゲーム内コーデックス、シンジケート、ゲーム外部でのトレーラー映像など)で語られる物語・背景設定には、原則的としては触れません。そこまで対象を広げると、とんでもない量になってしまうので。ただ、例外的にいくつか触れる内容はあるかもしれません。
具体的には、Natah、二番目の夢、背信のプロローグ、サクリファイス、「争いの序曲」三部作、新たな大戦、Zarimanの天使を対象とします。要するに、メインストーリーを追う上での最低限の要素に絞ります。(詳細な読み解きのためには、他のクエスト等にも必須級のものがあるんですが…。本当、全部取り扱っていると大変なことになってしまうので。)
また、本記事執筆時点(Update32.3.7)では、「デュヴィリ・パラドックス」は未実装となっています。直近の大型アップデートで実装がアナウンスされていますが、デュヴィリ・パラドックスの内容、およびトレーラー映像やDevストリームで触れられた内容などは、本記事の対象外となっている点にご注意下さい。「デュヴィリ・パラドックス」が実装され(おそらくはネタバレ禁止がしばらく続くので、それが解除され)てから、改めて追記もしくは編集を想定しています。
- [Warframe]ストーリー解説01:「Natah」クエスト
- [Warframe]ストーリー解説02:「二番目の夢」クエスト
- [Warframe]ストーリー解説03:「内なる紛争」クエスト
- [Warframe]ストーリー解説04:Harrowの鎖
- [Warframe]ストーリー解説05:背信のプロローグ~サクリファイス
- [Warframe]ストーリー解説06:「争いの序曲」三部作~キメラプロローグ・ERRA・創造主
- [Warframe]ストーリー解説07:「新たな大戦」
- [Warframe]ストーリー解説08:Zarimanの天使
- [Warframe]ストーリー解説09:デュビィリ・パラドックス
- [Warframe]ストーリー解説10:壁の中の囁き
- [Warframe]ストーリー解説98:徹底考察!「壁の中の男」とAlbrecht Entrati
- [Warframe]ストーリー解説99:全体まとめと考察
ではやっていきましょう。
目次
ストーリー解説動画版
動画での解説も行っています。
あらすじ:オロキン帝国時代の出来事
まずは、作中から見て過去にあたる、オロキン帝国時代の出来事について整理していきましょう。詳細な時系列はハッキリとしない面も多いため、推察を含めて並べていきます。
VOID時空の観測と永遠主義理論の確立、VOID航法の実現
科学者A・エントラティによりVOID時空が観測され、「永遠主義理論」が確立。これらに基づき、VOIDトンネルを使った超時空航法が実現したものと考えられます。またこの際、A・エントラティは「壁の中の男」に遭遇し、その指を切断しているようです。
クジラ座tau星系への探査ドローン派遣
オロキン帝国の支配層は、クバの力によって、精神を他人の身体に移し替える方法で、事実上の不老不死を実現していました。しかしそれでも、太陽が寿命を迎え、太陽系が終焉してしまえば、オロキン達も滅びるしかありません。そこで彼らはクジラ座tau星系への移住を計画します。その計画の第一歩として、オロキン達は、探査ドローンをtau星系に派遣しました。
宇宙船ZarimanのVOID航法事故
続いてオロキンは、tau星系に向けての第一次移民船となる、宇宙船Zarimanを出航させます。この時期はおそらく、探査ドローン派遣よりも後、かつ戦時中は不可能だと思いますから、「古の大戦」勃発前と想像します。
宇宙船Zarimanは土星の衛星軌道上よりVOIDドライブを起動させ、VOID航法に突入。しかし、その際に事故が発生し、VOID空間内で遭難してしまいます。
VOIDの狂気に浸食され、船内は阿鼻叫喚の地獄と化します。乗員乗客のほとんどは悲惨な最期を迎えますが、子ども達だけは無事に生き残りました。
古の大戦 – センティエントの誕生と太陽系への軍事侵攻
一方、Tau星系に派遣された探査ドローンは、自己進化の果てに知性と自我を獲得。「センティエント」という生命体に進化します。センティエント達は、太陽系のオロキン帝国を脅威と見做し、軍事侵攻を開始。「古の大戦」の火蓋が切って落とされました。
Warframeテクノロジーの誕生
太陽系に侵攻したセンティエント達は、優れた学習能力で、オロキンの技術体系を速やかに自らの者としていきます。最新の兵器を次々と模倣され、追い込まれたオロキン帝国は、「肉体と疫病」…すなわち感染体に着眼し、これの兵器運用を試みます。その結果、人為的に人間を感染体と化して作られる、Warframeテクノロジーが確立しました。
しかし、初期のWarframeは制御に難があり、次々と暴走。創造主であるオロキンに反逆します。この致命的な難点を克服する手段として、オロキンは、宇宙船Zarimanから救出された子ども達に着目します。
テンノの誕生
宇宙船Zarimanの事故を生き残り、救助された子ども達は、VOID由来の特殊な能力を発現していました。この子ども達の処遇を巡り、オロキン内部で対立が生じます。執政官Ballasをはじめとした政治上層部は、子ども達を「悪魔」と恐れ、処刑の意向を示します。一方で技術者であるMargulisは、子ども達の治療を訴えます。
Margulisは子ども達の“治療”を進め、精神を他の肉体に移す「転移」技術でもって、その能力を制御させる(あるいは封じ込める)ことに成功します。しかし、治療の継続を訴えるMargulisは、子ども達の処刑を望む上層部の意向に逆らったと見做され、その咎により粛清されてしまいます。
一方、残された子ども達は処刑を免れ、転移技術によりWarframeを制御する「オペレーター」となり、「古の大戦」の戦線に投入されることとなります。
Ballasの裏切り
愛するMargulisを粛清されたBallasは、その怒りからか、オロキンを裏切ってセンティエントの内通者となります。そして、センティエント「Hunhow」に対し、Warframeテクノロジーの詳細と、Warframeを操るオペレーター=テンノの所在を明かします。
センティエントにとって軍事的脅威であるWarframe、そのオペレーターであるテンノを抹殺するべく、Hunhowは人間に擬態できるセンティエント、自らの娘である「NATAH」を送り込みます。
NATAHの裏切り
しかし、送り込まれたNATAHは…おそらくMargulisの人格が何らかの形で発現し…テンノの庇護者LOTUSとなります。センティエント達は、tau星系から太陽系へ侵攻する際、おそらくはVOIDトンネルを通ったものと思われますが…その際に生殖能力を失っていました。
しかし、どうしても自分の子どもが欲しかったNATAHは、テンノ達を自らの子と見做し、これを庇護する母、LOTUSとなります。
「古の大戦」の終結
これも推察ですが、おそらく「古の大戦」末期は、テンノ、オロキン、センティエントによる三つ巴の戦いになっていたのではないでしょうか。テンノとセンティエント、両方を相手取る二正面作戦では保つはずもなく、オロキンは滅亡します。
オロキンの滅亡を確認すると、センティエント達は撤退。Hunhowは天王星の海底に眠ります。テンノ達も各地に残されたオロキンの残党を掃滅した後、Warframeは凍結され、そしてオペレーターはルアのリザーバーに眠り、そしてルアごとVOID空間に隠されました。
ここまでが過去の話
…と、ここまでが過去の出来事です。いくつか推察を含むのですが、大まかな流れとしては、こんな感じかなと。そしてここからが、作中で起きていく出来事になります。
あらすじ:Warframeメインストーリー中での出来事
続いて、メインストーリー中での出来事を整理していきましょう。
クエスト「NATAH」
グリニアのTyl Regorが、天王星の海底に眠るセンティエントHunhowの封印を解放。テンノらの活躍により、再封印されます。
クエスト「二番目の夢」
封じられたHunhowですが、Stalkerを従え、ルアのリザーバーに眠る「テンノの本質=オペレーター」を襲撃させます。テンノ達はALAD Vの支援を受け、Stalkerを追跡し、これを撃退。ルアのリザーバーから脱出したオペレーターは、オービターの後部にある「ソマティックリンク」装置に座すこととなります。
クエスト「内なる紛争」
グリニア両女帝の移動要塞を発見したテンノは、単身突撃するも返り討ちに遭います。グリニア両女帝の目的は、テンノの肉体を乗っ取り、自らのものとすることでした。Teshinの試練によりVOIDの力を取り戻し、テンノは両女帝に勝利します。しかし同時に、テンノと瓜二つの存在である「壁の中の男」もまた姿を現すようになります。
クエスト「背信のプロローグ」
LOTUSの元に、オロキン時代から生き延びていたBallasが訪れます。BallasはLOTUSに何らかの影響を与え、二人は手を取ってテンノの元を去ってしまいます。
クエスト「サクリファイス」
立ち去ったLOTUSの手がかりを探るテンノは、謎のWarframe「Umbra」を追跡。その過去と苦悩を取り除き、Ballasと対峙します。しかし、そこにセンティエントNATAHの姿に戻ったLOTUSが現れ、Ballasを連れて飛び去ります。
クエスト「争いの序曲」三部作
NATAHに連れ去られたBallasは、身体をセンティエントに改造されてしまいます。しかし、このまま隷属を受け入れることを良しとせず、反逆の機会を狙って、Ballasはテンノに「センティエント殺しの大剣」PARACESISを与えます。
一方センティエント達は、NATAHとその弟ERRAを中心に、太陽系への再侵攻を企てます。NATAHの能力により、軍勢の招集編成を行いますが、NATAHにはまだLOTUSとしての人格が僅かに残っており、不安定な状態です。そんなNATAHを見限ったのか、ERRAは彼女を叩きつけると、Ballasの拘束を解放。実権を握ったERRAとBallasは、センティエント軍勢を従えて、太陽系への大規模な再侵攻を開始します。
クエスト「新たな大戦」
ERRAとBallasの率いるセンティエント艦隊が、太陽系を襲撃。「新たな大戦」が開戦します。グリニア、コーパス、テンノは連合してこの脅威に立ち向かうものの、敗北。テンノとNATAHは、VOID空間に放逐されて封じられてしまいます。
ERRAとBallasは太陽系のほぼ全域を制圧し、支配下の勢力「ナルメル」を形成。人々を洗脳するヘッドギア「ベール」装置と、Warfarmeの身体を持つ怪物「アルコン」により、人々を支配します。
こうした情勢の中、「Zarimanから救助されなかった世界線のテンノ」である「漂流者」の活躍と、「壁の中の男」による因果律への介入により、オペレーターが復活。LOTUS=NATAHも、不完全ながら復活を果たします。
太陽を消滅させようとするBallasの企みを打ち砕き、「新たな大戦」は終結。
テンノは「オペレーター」と「漂流者」の二つの存在が統合され、LOTUSもまた「NATAH」「LOTUS」「Margulis」の三つの人格の統合が果たされます。
クエスト「Zarimanの天使」
「新たな大戦」の終結したオリジン太陽系に、突如として巨大なVOID亀裂が出現。そこから、宇宙船Zarimanが姿を現します。無人と思われたZariman船内には、「ホールドファスト」を名乗る生存者たちと、VOIDの狂気に耐え切れず異形へと変化した「Zarimanの天使」が存在していました。
テンノ達は、Zariman船内を荒らすグリニア・コーパス両勢力を阻止し、そしてVOIDの浸食を食い止めるべく、戦いを始めます。
全体的な感想と考察
さて、記事執筆時点での大まかな流れは、以上になります。以下、全体を俯瞰しての感想と考察をまとめていきましょう。
「新たな大戦」までは、要するにBallasとMargulisの愛憎劇
ぶっちゃけて言ってしまえば、「Natah」~「新たな大戦」までの物語は、BallasとMargulisを巡る愛憎劇のようなものです。起きている出来事がやたらと壮大で、一見するとスケールのデカい話に見えますが、各人物の動きを見ていくと、意外と人間くさい動機で動いているんですよね。
実際に「新たな大戦」作中でも、ERRAが「一人の男の自尊心によって滅ぼされるのだ」と言っている通りです。
要するに、Ballasという自尊心と虚栄心と嫉妬心と支配欲にまみれた、器の小さな一人の男が、あまりにも強大な力を持ち過ぎた故に、太陽系全域を巻き添えにする愛憎劇を繰り広げてしまったと。そういう話だと捉えて良いのかもしれません。
残された謎
ここまで物語が進んでも、残された謎は数多くあります。列挙しているとキリがありませんが、主だったところで言えば、以下になるでしょうか。
- 「壁の中の男」は何なのか
- 「新たな大戦」のラストに出てきた巨大な壁は何なのか
- 漂流者はどこからやって来たのか
「壁の中の男」については、これまでのクエストや、「Harrowの鎖」等でも言及されています。また、「新たな大戦」ラストの巨大な壁についても、「壁の中の男」との関連から、ネクロリスクに残されたA・エントラティの記録など、手がかりは一部示されています。
漂流者に関しても、「新たな大戦」の中で「デュヴィリに残っていればよかった」といった趣旨の発言が確認できるなど、ヒントは既に示されている状態ですね。
とはいえ、現時点ではまだハッキリとしたことが言えるほど作中では語られてはおらず、いずれにしても推察の域を出ないものと思います。
また、この他にもZarimanとホールドファストについて等、いろいろな謎が残っていますが…。ひとまず主眼としては、「VOID」と「壁の中の男」が、今後の物語のカギになってくるのかな、という印象です。
まとめ:
さて。他にも話し始めると本当にキリが無いわけですが、今回は一旦ここまでにしておこうと思います。おそらく予定通りであれば、今月(2023年4月)中に、「デュヴィリ・パラドックス」が実装され、また物語が大きく展開するのではないかと期待しています。
新しい要素が加わったら、ネタバレ禁止期間を経て、またこの記事をアップデートしていく予定です。
作中で、「Margulis処刑→Margulisを諦められなかったBallasがセンティエントと取引しMargulisもどきのNatahが派遣される→NatahはLotusとしてテンノ抹殺を目指して活動するが、Margulis由来の母性に目覚めてNatahの人格を破壊(?)しテンノ達を眠らせる→以後作中のLotusとして活動」という前日譚があります。
よって、Margulis≠Lotus=Natahとなるはずです。